
先日、営業社員の方に行った私のコーチングを、コグニティ株式会社様の特許技術である会話分析AIで分析していただく機会がありました。
その様子は同社のnote連載「1on1解体新書」第十回とYouTube動画でも紹介されています。
AIの分析で指摘されたのは、主に次の3点でした。
- 「その時どんな気持ちになりましたか?」という、気持ちを辿る質問を行っている
- 共感の表現が約1時間で17回検出され、相手の回答が100文字を超えることが多かった(一般的な対話では20〜30文字程度だそうです)
- 背景や理由を聞いてから解決策に向かう順序立てがされている
質問は1時間に23回、2〜3分に1回のペースでした。
一般的にそんなに頻繁に質問をしていると詰問のようになり、相手を責めて立ててしまうのではないかと疑問に思う方もいるかもしれません。
でも、私のコーチングではそうはならなかったという結果でした。
その証拠に、相手が長く話をしてくれています。
この分析結果は、他のコーチングとどう違うのか明確に示していただいています。
私のコーチングはより感情や価値観にアプローチするコーチングということです。
行動を変えようとしても、人は動けない
コーチングというと、目標を決めて、行動計画を立てて、進捗を確認する、という進め方を思い浮かべる方が多いと思います。
いわゆる「行動にアプローチする」やり方です。
もちろん、それで動ける人もいます。
けれど、現場で900名以上の方と向き合ってきて感じるのは、
「行動すれば結果が出ると分かっているのに、どうしても動けない」人の多さです。
これは、虫歯になったのに歯医者に行けない人と同じです。
行けば治ると頭では分かっている。
でも行けない。
怖さなのか、面倒なのか、昔の痛い記憶なのか。
理屈ではない何かが、その人を止めています。
営業もまったく同じです。
電話をかければ、提案をすれば、フォローをすれば、結果に近づくと分かっている。
それでも手が止まる。
止めているのは知識や技術の不足ではなく、
「断られたらどうしよう」「また失敗したら」「上司に何と言われるか」という感情の方です。
営業マンほど、結果が数字で突きつけられる仕事はありません。
だからこそ、感情のブレーキも強くかかるのです。
北風と太陽で言えば、太陽のアプローチ
イソップ寓話の「北風と太陽」をご存じでしょうか。
旅人のコートを脱がせようとして、北風が力いっぱい吹いても、旅人はコートをしっかり押さえて離しませんでした。
一方、太陽が温かく照らすと、旅人は自分からコートを脱ぎました。
行動を変えようとするアプローチは、北風に似ています。「やるべきだ」「計画通りにやろう」と外から力を加えるほど、人の心は固くなります。

営業会議で数字を詰められた営業マンが、かえって動けなくなるのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
私のコーチングは太陽の方です。
行動を変えようとはしません。
その代わり、行動を止めている感情や、その人の価値観そのものに働きかけます。
感情のブレーキが外れると、人は指示されなくても自分から動き始めます。
AI分析で「気持ちを辿る質問」と「共感表現」が多く検出されたのは、その表れだと思っています。
なぜそれが営業の結果に繋がるのか
営業で結果が出るかどうかは、最終的には行動量と行動の質で決まります。
訪問する、電話をかける、提案する、断られても次に行く。
この当たり前の行動を止めている感情がなくなれば、自然にできるようになります。
特別な話術や裏技の話ではありません。
「分かっているのにできない」が「やれる」に変わる。
それだけで、営業の数字は変わります。
他のコーチングが「行動」にアプローチするのに対して、私のコーチングは「価値観や感情」にアプローチします。
行動の変化は、目的ではなく結果だというのが私の考え方です。
ブレーキが外れた営業マンに起きる変化
感情のブレーキが外れた営業マンには、共通した変化が表れます。
まず、行動変容へのスピード感が明らかに変わります。
PDCAをしながら営業アプローチを改善する過程で、そのPDCAのサイクルを回すことが速くなります。
それが訪問数、架電数、送信数、商談数、成約率などに反映されてきます。
次に、断られることへの反応が変わります。
一度の失注で週単位で落ち込むことが減り、「次に行こう」と切り替えるまでの時間が短くなる。
そして、顧客の前でも無理に取り繕わなくなるので、相手から本音の懸念を引き出せるようになります。
結果として行動量が増え、商談の質も上がっていくのです。
これまでの実績について
私はコーチング歴15年、これまで900名以上の方と1対1で向き合い、セッション時間は延べ3,600時間を超えます。
結婚、転職、起業、健康的な生活といった一人ひとりの目標の裏側で、共通して壁になっていたのが「分かっているのに動けない」という感情の問題でした。
法人の社員コーチングでは、次のような結果が出ています。
- 東証一部上場企業グループ会社で、業績が6億円から10億円に成長
- 同じ企業で、離職率が1年で83%減少し、社員数が40名台から60名台に増加
- メンタルの不調で月に10日ほどしか出社できなかった社員が、毎日出社できるまでに回復
今回のコグニティ株式会社様のAI分析も、そうした取り組みの延長にあります。
同社はこれまで1,700件以上のコーチングセッションを分析してきたそうで、その物差しで私のセッションを評価していただいたことは、自分のやり方を客観的に確認する貴重な機会になりました。
営業マンの育成で「分かっているのに動けない」という壁にぶつかっている方は、その壁は技術ではなく感情のところにあるのかもしれません。










