時間管理ができない状態から効率的なタスク処理で生産性を上げる管理術

幾分、毎日が忙しいとタイムマネジメントで悩むことがあるかと思います。
今回は、人間の特徴から作り出す効果的な時間管理の方法を紹介します。

 

目次

時間管理の目的を決める

まず、時間管理には目的が必要です。
何のために時間管理がしたいのかを考えてみましょう。

時間管理の目的によって、方法が変わってきます。
まず、時間管理をする時はやらないことを決めることから始めます。

なぜなら、1日24時間であることは全ての人が平等であり、すでに24時間を何かしらの形で使い切っているからです。

 

ですから新しいことを始めたり、新しい時間を手に入れたい場合は今やっていることの内、何かの時間を先に手放さなければいけません。

この手放す優先順位からひとつずつ紹介していきます。

 

時間管理のマトリクス

スティーブン・R・コヴィー博士の7つの習慣という本があります。

この本の中には時間管理のマトリクスという項目があり、これは今使っている時間の優先順位を付けるには最適な基準となるものです。

下の図を参考にしてください。

いま自分が行なってタスクや行動をを4つのカテゴリーにそれぞれ分けてみてください。

 

A:重要であり、至急である

人が1日の内で、最も振り回されやすいものが、この重要であり至急である事柄です。
電話の応対、メール返信、請求書の支払い、家賃の支払いなど、ほとんどの人がやらないといけないと思っている事柄がここに当たります。

 

ただ、この重要であり至急である事柄は、当人がやらなければいけないと思い込んでいることも多くあります。

例えばメールの返信は、内容によってはそんなに至急性がないかもしれません。
メールの返信を早く行うことを心がけすぎて、頻繁にメールボックスを見たり、通知にすぐ反応してしまいがちですが、これは集中力を途切れさせる原因になることも多く、長い目で見た時に非効率である場合が多いです。

 

B:重要であり、至急でない

人が最も先延ばししやすいものが、この重要であり、至急でない項目です。
例えば長期的な人生計画、健康維持、運動、内省、自分を高めるための読書など。

コヴィー博士は、この最も先延ばししやすい項目を最も優先順位を高くすることを推奨しています。

なぜなら、長期的な目線で人生の成果が別れる一番の要因となるからです。

今回、紹介する時間管理もこの重要であり、至急でない項目をいかに効果的にスケジューリングするかを後ほど紹介します。

 

C:重要ではなく、至急である

重要ではなく、至急である項目とは、つい流されてしまいがちな事柄です。

突然の来客や、興味のない営業の電話に出ること、自分が無駄だと感じている付き合いや、生産性のない飲み会やランチ会など。

もちろん、この項目に入っている項目は断った方が良いのですが、はっきりと断れる自分でなければいけません。
日本人は特に、この「断る」ということが苦手です。

しかし、断ることをしなければ時間をかなり無駄に過ごしていることになります。
例えば週1回の生産性のない飲み会に参加しているとして、1回の飲み会が3時間だとすると、月に12時間。

年間で144時間、つまり丸6日間は無意味な時間を過ごしていることになります。

 

「付き合いだから」とか、「断れない相手だから」と半ば諦めぎみに時間を費やしていると、あとで大きな結果の差が生まれてしまうので、注意しましょう。

 

D:重要でなく、至急でもない

この項目は、真っ先に時間を節約するために切り詰めた方が良い項目と言えます。

だらだらと見てしまうテレビ、待ち時間、暇つぶしのために行うゲームなど。

この項目は自分一人で着手している場合が多いので、抵抗感なく手放すことが可能です。
また、同じテレビを見るという項目でも、脳を休めるためとか、エネルギーを蓄える為という目的で見るのであれば、Dの項目ではなく、Bの至急ではなく、重要であるの項目に入ります。

何をするのかではなく、それが自分にとってどんな目的で行われているのかが、時間管理のマトリクスに分類される基準となるので気をつけてください。

 

優先順位

以上のことから時間配分をするための優先順位をあげると、

B > A > C > D

この順番で、スケジューリングをしていってください。
慣れるまで大変かもしれませんが、慣れてしまえばスケジューリングで色々と考えなくても、簡単に頭の中で分類できるようになります。

続いては、最も効果的にスケジューリングを紹介します。

 

人が1日の内、集中できる時間は最大4時間

フロリダ州立大学教授で心理学者のアンダース・エリクソンによると、人が1日の内に集中できる時間は最大4時間と言われています。

プロのバイオリニスト、プロスポーツ選手、プロのチェス選手の練習時間を調査したところ、1日で最大4時間しか練習をしていないことがわかりました。

また4時間以上の練習を行うと逆効果になってしまうというデータも出ています。

4時間というと、とても短い時間に思えますが、この4時間をどのように使うかが最も重要と言えます。
例えば、この4時間をだらだらとテレビを見ることに費やすのは勿体無いです。

 

つまり時間管理のマトリックスの内、Bの項目(重要だが至急ではない)をいかに4時間に費やすかがポイントとなります。

個人的におすすめする時間の使い方は、この4時間をクリエイティブな時間に使うことです。

クリエイティブなことに集中力を使うことは、将来に対して最も大きな投資と言えます。
クリエイティブな思考は、現状を打破してステージアップするにはとても効果的です。

 

朝一番の時間にクリエイティブなことをする

また、朝一番はクリエイティブなことをする時間としては最も効果的です。

朝一番は、最も感情が安定している状態であり、外から影響を受けていない状態なので、とてもリラックスしています。
その上、思考もスッキリしていて白紙に近い状態なので、何か新しいことを生み出すための時間として使うには最適です。

 

つまり、朝一番から午前中いっぱいの時間を使って、自分について内省したり計画を立てたり、何かアイデアが必要なタスクにかける時間を費やします。

 

90分ごとにタスクの内容を変えるウルトラディアンリズム

また、人が最も断続的に生産性を上げることができる時間は90分と言われています。
これはウルトラディアンリズムと言われていて、肉体的なリズム周期のことです。

例えば、レム睡眠とノンレム睡眠のリズムも90分刻みですし、学校の授業も45分(2÷90分)も、このウルトラディアンリズムに沿った時間配分と言われています。

 

90分ごとに全く別のタスクを行う、つまり脳や神経、肉体の別の部分を使って切り替えることで、より生産的な時間の使い方ができます。

例えば、90分頭を使う作業を行ったら、休憩時間は頭を使わないで散歩したり音楽を聞いたり、ただぼーっとするのも良いと思います。

重要なのはきちんと切り替えが行えるかという点なので、頭を使ったあとは体を使う、また集中して行った場合は自律神経が働いているので、休憩中はリラックスし、副交感神経を働かせる、またクリエイティブな作業の後は単調作業を行うなど、切り替えるということを意識してみてください。

 

「何もやらない」ことをやる

また、行動しすぎて結果が出ないということがあります。

エネルギーの使い方は呼吸に似ています。
呼吸は一度吐いたら吸わなければいけないように、エネルギーもアウトプットのあとはインプットしなければいけません。

 

多くの人は結果を早く出したいがために、アウトプットだけを重要視しますがインプットも同じぐらいに重要です。

このエネルギーをインプットするという作業がないと、そのうちエネルギーが枯渇して空回りの行動ばかりになってしまい、更に行動量を上げるという悪循環に陥ります。

 

つまり、意図的にインプットの時間を作ることが大切になります。
呼吸は常に吐いたり吸ったりしているように、エネルギーも出したり蓄えたりを繰り返します。

あえて何もせずにダラダラする、あえて頭を全く使わないテレビを見てゲラゲラ笑う、よく眠るなど。
インプットの方法はたくさんあると思います。

このインプットの習慣もB(重要であるが至急ではない)の項目に当てはまるので、意図的にスケジューリングしましょう。

 

適切な睡眠時間

適切な睡眠時間は人によって変わりますが、7〜8時間が最も適切な睡眠時間と言われています。
NHKが2000年に調査したデータによると、日本人の平均睡眠時間は7時間23分ということで、ほぼ必要睡眠時間をクリアしていると言えます。

 

ただ、睡眠に関しては健康に関する事柄なので、個人差があると言えます。
人によって生活習慣や、日々どれだけの疲労感を持っているかも睡眠時間に影響します。

一概に、何時間寝ることが正しいかということは言えません。

 

ひとつ言えるのは、朝起きた時に体も頭もすっきりした状態で起きたかが、適切な睡眠時間のひとつの指標になると言えます。

なぜなら、朝起きた時の体と頭の状態が1日の生産性に大きく関わるからです。

また、体と頭の状態は感情の状態にも影響を与えます。
感情の状態が悪いと、クリエイティブなことに着手できない上、何より楽しくない1日を過ごさなければいけません。

 

自分にとって適切な睡眠時間を見つけましょう。

 

時間をかける vs 成果にこだわる

また、時間をかけることと成果にこだわることはイコールのようで、違う場合もよくあります。
タスク管理やTo Doリストは結果を出すという目的のためにあります。

タスクを管理していく内に、タスクを潰していくことが目的になってしまうという落とし穴によく陥りやすいです。

時間をかけることが必ずしも結果を生み出すとは限らないので、いつも目的と手段の関係を意識して時間管理を行いましょう。

 

まとめ

時間管理について、様々なスキルや知識を紹介しました。

なかなか人は今までの習慣を手放すことに抵抗感があるので、すぐに変えることは難しいかもしれませんが、ひとつひとつ日常に落とし込みながら、自分だけの時間管理術を身につけてください。

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