社員教育プログラムの作り方やカリキュラムの研修内容の具体的な決め方

働き方改革により、社員教育に力を入れる企業が増えています。
社内で研修のカリキュラムを組む企業も増えてきていますが、何を指針に作れば良いのか、その具体的な方法を紹介します。

 

目次

社員教育の目的

社員教育の目的は、学習によって社員が成長し、将来的に会社に貢献する存在にするために行うものです。
ですから、社員教育は会社の利益に繋がるものでなければいけません。

その為には社員のリーダーシップ、マネジメント、主体性を上げ、それと同時に離職の防止に繋がる結果を出すためのカリキュラムを組む必要があります。

 

会社は社員にどうなってもらいたいのか

実は、会社から社員にどうなってもらいたいかという目的を言語化して伝えていないことが多いです。

評価制度やOJTの教育で、なんとなく察すれば良いという体制である企業も多いですが、ここは経営者や人事からハッキリと社員にどうなってほしいかという点を言葉で伝える必要があります。

 

そのためには、経営者がどういった会社にしたいのか、そして会社はどういった社員に支えられ、顧客にどうなってほしいのかなど、すべて一貫したメッセージを作りあげなければいけません。

 

社員はどうなりたいのか

会社が社員にどうなってほしいのかを押し付けるだけでは社員は成長しません。
同時に、社員はどうなりたいかを明確にしてあげる必要があります。

最終的に社員の成長と会社の成長がイコールで結び付くと、相互作用が生まれ、会社にとっても社員にとって大きな利益が生まれるようになります。

 

その為には、社員はどうなりたいのかをヒアリングする必要があります。

多くの社員教育は、ただこうなって欲しいという押し付けるだけの教育が多いのですが、社員からどうなりたいかを引き出すことで、社員自身が自己成長を楽しめるようになり、仕事にも積極性が生まれます。

 

カリキュラムの作り方

カリキュラムを作るには、まず教育のビフォーとアフターを設定します。
ビフォーは現在の会社の状態と社員の状態、アフターは社員教育を終えたあとの会社の状態と社員の状態です。

この2つを明確にすることで、カリキュラムの組み立て方が見えてきます。

 

カリキュラムの期限を設定する

研修でしたら、計何回行うことが必要か。
そして、どれぐらいの期間で行うことが必要かが重要です。

おすすめとしては、集中的に行う研修よりも長期的に分けて学べる研修の方が良いです。

なぜなら、集中的な研修はインプット過多になってしまい、アウトプットする頃には忘れていることが多く、またアウトプットのフィードバックもできない為、結果に反映されないことが多いからです。

 

エビングハウスの忘却曲線
心理学者のヘルマン・エビングハウスによると、インプットした知識は20分後には42%忘れてしまい、1日後には67%忘れてしまいます。このことから、インプットした知識はなるべく早い段階で記憶に定着させる必要があります。そのためには、アウトプットが最も有効な手段と言われています。
アウトプットの方法は、人に教える、理解したことを自分の言葉で文字に書き起こす、実戦で試すなど、色々な方法があります。アウトプットを行うことで、より意義のある教育を行うことができます。

カリキュラムを通して社員に何を身につけて欲しいのかを明確にする

会社が社員にどうなって欲しいかの部分に繋がりますが、まずは箇条書きでカリキュラムを通して社員に何を身につけて欲しいかを書き出します。

また、マネジメントスキルやリーダーシップスキルと言った抽象的な言葉ではなく、会社にとってのマネジメントスキルやリーダーシップスキルとは何なのかという部分も明確にします。

 

必要な情報を収集する

カリキュラムで何を身につけて欲しいかを明確にしたら、そのスキルについて情報収集をします。
社内研修を行う場合、講師もある程度の知識を持っている必要があるので、本やネットで勉強する必要があるでしょう。

また、情報を集めたらOJTの体験談を交えることが大切です。
ストーリーは人を引き込み、何かを教えるにはとても効果的でもあり、体験談から伝える内容は説得力があるので、体験談を交えながら組み立てることで、より精度の高いカリキュラムを作ることができます。

 

アイスブレイク・ワーク・休憩を効率的に取り入れる

研修のタイムテーブルを組み立てる時は、アイスブレイク、ワーク、休憩を効率的に取り入れましょう。

 

アイスブレイク

アイスブレイクとは、セミナーや研修のはじめに、緊張した雰囲気を和らげるために行うワークです。
特に新入社員研修などは、初対面同士なのでとても緊張していることが多いです。

ですから、アイスブレイクを効果的に取り入れることで緊張を和らげリラックスした雰囲気で集中しながら研修を受けることができます。

 

アイスブレイクの例
アイスブレイクの例をいくつか紹介ます。
  • 自己紹介:いくつかのグループに分かれ、それぞれ自己紹介をしてもらいます。自己紹介をする際は予め何を自己紹介するのかを決め打ちしましょう。
  • Good&New:こちらもいくつかのグループに分かれて、最近あった良かったことや気づきを得たことをシェアします。新しいことや気付きを考えるようになると、脳が学習する為に意識が向くようになるので学習にも良い影響が生まれます。
  • 体操:体操と言ってもラジオ体操のような大きな動きをするものではなく、背伸びをしたり深呼吸をするような軽いものです。緊張している時は体が強張っているので、体を伸ばすことでリラックスする効果があります。

 

ワーク

ワークはインプットしたことをアウトプットするために使えるとても有効なセクションです。
アウトプットは記憶の定着にとても有効な上、アイスブレイクのようなリラックス効果も生まれます。

また、学習中ずっとインプットのままだと受講側は眠くなります。
これは、体がずっと同じ姿勢でいることにより、脳に酸素が行き渡らなくなるために生まれる生理的な現象です。

緊張感がないから眠くなるのではなく、リラックスしてないから眠くなります。

 

ワークはこの眠気を覚ますためにもとても有効です。

ワークの効果的な使い方
ワークにもいくつか効果的な使い方があるので紹介します。
  • インプットしたものをグループにアウトプットする
  • 学習をクイズ形式にし、グループで話し合うことにより、自分で考える力を身に付ける
  • ゲーム形式でチーム対抗にし、グループ内でのマネジメントとチームワーク、リーダーシップを実戦する場にする

 

休憩

休憩もカリキュラムの中で効果的に取り入れる必要があります。
なぜなら、人の断続的な集中力は90分と言われているからです。

90分おきに休憩を取り入れることで、受講者の集中力が途切れることなく学習することができます。

 

以上3つをタイムテーブルに効果的に取り入れることにより、カリキュラムを組み立てましょう。

 

まとめ

社員研修をより効果的にするためには、何よりも目的が大切です。
教育の目的を明確にして、よりよい会社と社員の関係を築く企業が増えれば嬉しく思います。

たった1年で離職率83%減った...

A社は5年前から新入社員向けに社員育成に力を入れています。

確かに、ある一定数の社員には育成の効果が上がっているようですが、離職率は社員育成に力を入れる前とあまり変わらず、頭を悩ませていました。
一方、B社は5年前から新入社員向けに社員教育を取り入れたら、離職率の高さがすぐに改善された上、社員全体の生産性も上がっていきました。

同じように社員育成に力を入れていたA社とB社ですが、この2社の違いは何なのでしょうか...

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